普段はあまり通らない入り組んだ住宅地。なだらかだが長い坂道を下っていた。子供が調子に乗ってブレーキを緩めペダルを漕ぎ出す。スピードがどんどん出て私は追いつけなくなった。
ちょっと、速すぎ!ブレーキ!と、私が叫んだのとほぼ同時に子供がおもいっきり転んだ。泣き叫ぶ子供に駆け寄る。幸い骨は無事そうだが思いっきり指や膝を擦りむいており、かなり痛そう。とりあえず家に連れて帰りたいが、子供は身体的にも精神的にも自転車を漕げる状態でなくなってるし、運悪く私の自転車の後ろに付けてた子乗せ用のイスは外してしまっている。とりあえず自転車は端っこの方に置いとかせてもらって子供をおぶって帰るか…自転車で15分くらいの距離ってことはおぶって歩くと1時間近くかかるのでは…なんて思いながら自転車を端に寄せてたら、目の前のお宅から三十代半ばくらいの女性が出てきてくださった。
心配して声を掛けてくださったので事情を話すと、女性の車で家まで送ってあげると提案された。一瞬悩んだが、女性の車はかなり大きく私たちの自転車も一緒に載せてあげるよと言われお願いすることにした。車だと五分で家に着いた。死ぬほどお礼を言って、その後夫が帰宅してから、夫に子供を預けて、菓子折りを持ってお礼に改めて伺った。
子供は保育所の防犯教室で知らない人の車に乗っちゃダメと教わったとき、このエピソードを披露してお友達や先生に驚かれたらしい。そりゃそうだ。
増田も助けてくれた家の人も一昔前の田舎みたいな話やなあ お礼もってくの偉いわ