10年くらい前僕が大学生の頃、チャットをしていてクロさんというとある職業の20代の女性と知り合って、メールを度々交わす仲になった
彼女は既婚者で、いつもどこか寂しそうな話し方をしていて、僕は当時抱えていた若者にありがちな孤独感や虚無感をよく彼女に打ち明けていた
彼女は当時の僕の苦悩を理解してくれていて、僕もまた彼女の孤独を理解出来ていたと思う
要は僕は恋をしていた
彼女が自宅の窓から撮ったのどかな風景の写真から、自宅アパートを特定したくらい恋をしていた
しかし最初は頻繁にしていたメールのやり取りも、時が経つにつれ減っていき、もう最後にメールした時期さえも忘れてしまった
僕は二十代前半を生きるのに僕なりに必死で、彼女の事なんて殆ど忘れてしまっていたのだ
色々あって僕は彼女と全く同じ職業に就き、落ち着いた頃、久しぶりに彼女の事を思い出した
久々に彼女と話し、伝えたいことが沢山あった
僕の人生は今のところ大丈夫なことや、同じ仕事についたからこそ話せること
そう思って数年前から当時使っていたYahooIDを開こうとしてるのだが、パスワードを忘れてしまい開かない