2019-06-01

QCC3020と3026の違いについて

完全ワイヤレスイヤホン最近話題Qualcomm製 QCC3020と3026について、

チップサイズが違うからプロセスルールが異なるなど、明らかな素人による間違った推測が

多々見られるのでパッケージエンジニア観点から説明する。


この2つはチップサイズでなくパッケージサイズタイプが異なるのである

中に入っているチップは9割9分同じであろう。

・ QCC3020: 5.5 x 5.5 x 1 mm、VFBGA

・ QCC3026: 3.98 x 4.02 x 0.5 mm、WLCSP

● QCC3020はVFBGAとある

これは簡単に言うとチップの回路面を上側にした状態で基板に搭載し、チップの回路とインターポーザの回路をワイヤで導通させている。

参考:https://www.wti.jp/contents/blog/blog171226.htm


● QCC3026のWLCSPはワイヤボンディングを使わないパッケージである

チップの回路に再配線と呼ばれる層を形成し、チップに直接半田ボール形成する。

このパッケージは外側にワイヤを引き出さないので小さくすることができる。(というかチップサイズと同じである。)

更にインターポーザがないので薄くできるし、基板との配線距離を短くすることができる。もちろんリスクもあるが関係ないので割愛する。

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A8%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%AC%E3%83%99%E3%83%ABCSP


QCC3026の方が配線長が短いので、Bluetoothアンテナ感度が高くなる可能性があるが

Bluetoothの波長帯では配線長が1cmを超えなければ大差ないだろう。たぶん。

アンテナ設計や周辺環境のほうが重要と思う。

パッケージの差で音質が変わることはないと思っていい。

なぜ2種のラインナップがあるのかは、専門外なのでよくわからない。

半田ボールピッチに着目するとQCC3026(WLCSP)は0.4mmに対して、QCC3020(VFBGA)は0.5mmである

0.4mmピッチはかなり狭い部類に入るので、生産歩留まり考慮して0.5mmニーズが高いのかもしれない。

かしこ

  • https://www.qualcomm.com/media/documents/files/qcc30xx-series-product-brief.pdf BGAが並んでるからさらに小型のニーズがあったんじゃない?イヤホンちっちゃいし

    • おっしゃる通り、型番からも単純に追加ラインナップですかね

  • 今まさに調べてたので助かる!   >なぜ2種のラインナップがあるのかは、専門外なのでよくわからない。 ただこれが謎。ここまで知っていて専門外…? 開発に直接携わってない=部...

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