ティッシュを思う存分引き出したり、親の大切なお皿を割ったり、いきなり髪の毛をハサミで切ったり、静かなところで大声で泣いてみたり、食塩をぶちまけたり。
そうした後の母親の悲しそうな表情が見たいのだ。
赤ちゃんだから仕方ない、怒りをぶつける先がない。そんな状態の母を見てみたい。
母親のことはもちろん愛しているし、笑っている顔が一番好きだ。
私は構われたいのだ。
親に沢山迷惑をかけているのが、
正直に言って羨ましくて羨ましくて、堪らない。
私よりも兄の方が愛されているような気がするのだ。
私だって、悪夢を見て夜中に大声で発狂したり、過呼吸になったり、本棚蹴散らしたり、リストカットしたり、自殺未遂したり、入院したり、お見舞いで食べ物をねだったりしたい。
知っている。当の本人はしたくてやっているわけじゃない。計り知れない程辛い気持ちでいっぱいなんだ。
ただ、私がいなくても兄という大きな関心事のあるこの家庭が、ほんのちょっぴり、私には居心地が悪い。私の存在は日に日に薄くなっている気がする。
兄で参っている親に、私は負担をかけたくない。だから、お金はお年玉切り崩したり、バイトをして貯めているし、今日も部屋で1人で声を殺して泣いている。
これからも移すことは無いと思う。
ただ、今でもふと、心が壊れそうになって、
何か酷いことを口走ったりしてしまいそうになる。
今日も女は親不孝