誰かの真似をすることで、自分のアイデンティティの足しにしようとしていたのだ。
今思えば何もかもが間違っていたと思う。
小さいころから物まねが好きで、小学生の頃は芸能人やキャラクターの真似をして遊んでいた。
自分が面白いと思ったものはすぐに取り入れて、自分を面白く見せようとしていた。
そのころに課題で書いた物語作文は、好きだった漫画のパクリとしか言いようがない。
中学に上がったころ、イラストを描ける人に憧れて絵を描くようになった。
その絵は模写ではないものの、内容としてはまさに「誰かの絵をパクったもの」だった。
好きな作家さんなんてのが見つかれば、ただひたすら画風を真似た。
その人みたいな絵が描きたかった。その人みたいな個性が欲しかった。
個性的な人の真似を沢山すれば、それだけ個性的になれると思っていた。
絵や漫画はきっと『誰かの作品』を素材にしたコラージュだし、曲なんて好きなアーティストのを聞きながら作ったこともある。
最低だ。
最低なんて言葉じゃ言い表せないぐらい最低だ。
きっともう更生することは不可能だと思う。
せめて中高生のときに気がつきたかった。「真似はダサいし最低」と過去の自分に教えてやりたい。
創作活動なんて始めなければ良かった。
どうか、こんな自分の真似をしないでほしい。