通勤通学していたら当たり前のように、ほぼ毎朝同じ駅の同じホームの場所から同じ電車に乗ることになる。
ある朝ふと、ホームへの階段を下りる時に視線を感じた。前を見たら1人の男性がこちらを見ていた気がしたが、男性は目が合った瞬間にすぐ下を向いた。この時は気にも留めなかった。きっと誰しもが気にも留めないだろう。
翌朝、昨日起こったことなんて忘れて、同じ時間に階段を下りていた。また、視線を感じた。でも昨日と同じ人かはわからない。それほど些細なことだった。また気にも留めずに電車に乗った。
3日目も同じようなことが起こった。たぶん、同じ人だった。さすがにその時はちょっと気味が悪くなった。でも電車に乗ってしまえば人がたくさんいるし、その後の日常を過ごしたら、完全に朝のことは忘れてしまった。
4日目。同じ階段を下りようとしてちょっと思いとどまり、逆の階段を下りた。視線はなかった。5日目以降も確か逆を使った気がする。そうこうしているうちに、きっと連続で視線を感じたのは気のせいだ、自意識過剰だったんだと思い、ある朝、また前と同じ時間に同じ階段を下りた。
見ていた。
男はホームドアの前に並んでいるのに、完全に首をこちらに向けていた。視線をそらす素振りも無い。怖い。でも、こういうのはこちらが気づいてる素振りを見せたらダメだという考えが頭をよぎったので、私は不自然に引き返したりせず、ただ男の方を見ないようにして電車に乗った。ドア1つ分は離れている。人もたくさんいる。どこに乗ったかは見失ったけど、たぶん大丈夫だろう。電車が動いた。人がよろけて視界が変わる。
一瞬で恐怖を感じ、心臓が脈打ちはじめる。でもここで車両を変えたり不自然に動いたりしたら反応を面白がって、明日からもっとエスカレートするかもしれない。そう思い、必死でその場にとどまり、スマホの画面を見続けた。怖かった。男はおそらく途中で降り、私も無事会社の最寄りで降りた。
あの日以降、電車を一本遅らせ、逆の階段を下りるようになった。
幸い、何も実害はなかったし、その後も同じようなことは起きていない。ただ、「視線」だけでこんなに恐怖を感じたこと、乗る電車を変えるという行動をせざるをえなくなったことが腹立たしい。どこのどいつかもわからない男に、なんでこんなことをされなきゃいけないのか。と思うけど、ただそいつは私を「見ていた」だけなのだ。もちろん、罰することもできない。だから本当に卑怯だと思う。
何を伝えたいわけでもないけど、思い出したので書いた。
彼は実在の人物なんでしょうか 精神科へいかれた方がよろしいのでは
元増田です。なるほど。そういう風に受け取る人もいるんですね。確かにちょっとサイコホラーっぽく書きすぎましたが実在の人物でした。まあ所詮私の主観なので幻覚か実在かの証明...