学生時代に付き合っていた子と飲む機会があった。
彼女が友人たち(全員女性)と飲んでいるところに、たまたま通りかかって、一緒に飲もうという流れに。
付き合っていた時期は短くて、キスくらいしかしたことがない子だったけれど、好きで好きでたまらなかった。
どうして別れたのか。端的に言うと、振られた。彼女が僕と知り合うずっと前から気になっていた男性から告白されたというのがその理由。
だいぶ辛くて、めっちゃ泣いたのを覚えている。
まあそんなことはどうでも良くて、久しぶりの、偶然の再会を素直に喜んでいた僕は、彼女の友人たちのフランクな雰囲気にも助けられて、いい感じにその場に溶け込んでいた。
働く女は大変。セクハラなんて当たり前。職場の既婚男性が言い寄ってくる。
そんな話で盛り上がり始めた。その流れで、彼女が「私なんて」と語り始めた。
同級生(おそらく僕も知っている人)と飲みに行って、お酒を飲みすぎてベロベロになり、家に送ってくれるかと思ったら、夜景が綺麗なホテルに連れて行かれたというのだ。
その同級生は既婚。呑みの席では「こういう式をあげたんだ」とか「こんなプロポーズをしたんだ」とか良い夫アピールをしていたらしい。
ホテルの部屋には花束が用意してあり、そもそもフロントでのチェックインもしていなかったらしいので、その日の飲み会は最後からそこがゴールと設定されていたとのこと。
まじかよ、と彼女は思ったらしい。思ったらしいが、酔っていたし、断るのも面倒なのでやっちゃったんだよねーと屈託ない笑顔で喋っている。
嫌だったから、次の日始発で帰ったけどねー。
家に帰ったらそっこーシャワー浴びたし。
と都会の女ぶって強がった発言をしていたけれど、要は酔っ払って判断力なくなったところを襲われたわけでしょ。既婚者に。
SATCの主人公が如く、そういうときもあるよねーと喋っている彼女が信じられなかった。
かわいそうに、という感情はまったくなく、自業自得じゃん。そういうことになるから、その既婚男性は、きっと他の女性にも同じことするじゃん。女の敵は女じゃんって思った。
君もそれぐらい上手くやっておけばセックスできたのにね 残念だったね 次に好きな相手ができたらもっとがんばりましょう