2018-04-22

納骨の日

祖父が亡くなってしばらく経ち、骨をお墓に納める日が来た。

その前日、久しぶりに祖母の家に泊まることになった。

骨壺(結構重い)を抱えて運んだり、タクシーを呼んだり、雑用係だ。

祖父の部屋はまだ沢山の本が置いてあり、もう何年も使っていない一眼レフフィルムカメラも置いてあった。

祖父晩年認知症が進み、会話が怪しくなり、最後には私の顔もわからなくなっていた。

まり祖父母と会うこともなくなっていたが、祖母ケアしきれなくなり、施設に入ってからの方が合う頻度は増えていた。

半年に一度が2、3週に一度程度に)

とは言っても、会っても会話にならないため、少しでも喜んでもらおうと、好きだった飛行機模型写真集を買っていくことにした。

ふだん足を運ばない模型店に行って品を選ぶとき、会話の通じない孫や甥におもちゃを買っていく大人心理状態はこんな風だったのかと思ったりした。

写真集古本屋で二冊買った。

同じ写真集を二、三年以上繰り返し読んでいるので、一度に渡しても消化しきれないだろうと思って、まず一冊渡した。

祖父が喜んだかどうかは定かではないが、祖母は喜んで、祖父に孫からプレゼントについて話しかけていたようだ。

その後、ちょっと具合が悪そうだと聞いたあと、すぐに亡くなってしまった。

愛読していた写真集は棺に入れて燃やしてしまったが、次に渡そうと思っていた二冊目の写真集はまだ手元にある。

ちょっとネットを眺めたあと、早々に寝床に入った。

鮮明な夢を見た。

祖父リビングルーム食卓で談笑する夢だった。

髪は真っ白だったが、背筋が曲がる前のしゃきっとした姿だった。

とてもリアル自然だったので

(あれ?祖父はまだ死んでいなかったのか)

と夢の中で思った。

立ち上がり食卓を離れ、ガラス戸棚を除くと

祖父の死亡を知らせる印刷したはがきが数十枚重ねておいてあるのが見えた。

(やっぱり)

と思ったところで目が覚めた。

6時ころだった。

喪中はがき印刷を手伝って、何枚か分けてもらって使ったのでそのとき記憶があったのだろう。

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