私はオタクの中でも「夢女子」と呼ばれるカテゴリに所属している。
夢とは、端的に言えば「キャラと自分の恋愛を妄想する」思想のことである。
そして私の場合、拗らせているせいで若干アウトローな夢生活を送っている。
妄想の中で、私はキャラに片思いをしている。そしてキャラは私のことを好意的には思ってくれている。
しかしそこから関係が発展することはない。なぜなら日吉くんは恋愛よりテニスの方が大事だからだ。中学を卒業してテニスから離れることになったとしても、古武術の修行が待っている。未確認飛行物体を探しに行くという使命もある。とにかく、どれだけ待っても日吉くんの中には恋愛より大事なものが常に存在しているのだ。
だから妄想の中の私は、日吉くんに告白することができない。日吉くんと常に仲良くしていながらも彼女という立場になることは無い。ただ想いを寄せながら見守っているのだ。
…とまあ、以上が私の拗らせ具合である。
しかし問題はこの外にある。現実での恋愛でも同様に拗らせてしまうのだ。
好きな人はいるが、その人にもキャラ相手のように夢思考を発揮してしまう。
彼にはきっと恋愛よりも大事なものがあるだろうから、今はまだ告白しない。でもきっと彼も私のこと嫌いではないはず…と。
そしてまたその彼が本当に恋愛に興味が無さそうで夢が醒めない。初めて会った5年前からずっと彼女どころか浮いた噂も聞かない。
私が拗らせてなければそろそろ告白でもしてスパッと振られることもできるんだろうけど、拗らせ夢女子は自分からは動かない。
そろそろ6年目に到達します。どうしようね。
巣に帰れ