5年以上付き合ってきた彼女がずっと嘘をついていた。
4ヶ月前に、ひとつ彼女の大きな嘘を暴いてしまったのがきっかけで、連絡が取れなくなった。
一般的にはもう自然消滅で済ませていいのかもしれないけれど、それなりに長い期間付き合ってきたし、一方的な連絡の途絶で、気持ちに納得がつかなかった。
だから、家を訪ねてみた。これが1ヶ月ほど前。
彼女は実家住まいで、関係は家族に知られていないから、かなり勇気が必要だった。
それでも行ったのは、連絡が取れなくなって自分の方が精神的に滅入ってしまったし、年末だったから今年のことは今年のうちに、と謎の衝動に突き動かされたからだ。
インターホンを押したら、彼女のお祖母様が出てきて、今日は彼女は留守だと伝えられた。
素直に、連絡が取れなくなって心配で来たと伝えた。
お祖母様もかなり彼女のことで心配が多いらしく、たくさん色々なことを話してくれた。
その過程で、その他いくつかの嘘も知ってしまった。具体的には言えないが、大学や、通勤先などについてなどだ。
嘘をつかれていたこと自体は、自分でも驚くほど怒っていない。というのも、なんとなく感づいていたからだと思うが。
彼女の家庭環境は複雑で、思う通りにいなかないことも多かった。
だけどもプライドは高いから、うまくいかない自分をわたしに知られたくなかったのかもしれない。
彼女がいままでたくさんの嘘を重ねてきていたのだとしても、その嘘でわたしの前だけでは理想の自分でいられたのなら、それでいい。
だけれど、嘘を重ねるのが苦痛だったのだったら本当に悪かったなと思う。
たぶんこの関係はもう駄目になってしまっていると思う。連絡はこれからも待つが、これを書いたらもう気持ちを切り替えることにする。
女の子を好きになって苦しいことも多かった。想像できない未来に何度も泣いたし、同級生たちが楽しそうに彼氏の話をしている傍らで神さまを恨んだり、自分を恨んだりもした。
彼女の家から帰る間際、お祖母様がいつも〇〇さんのことは楽しそうに話すのよ、嫌いになることなんてないよ、と仰って下さった。
それだけで、もう充分だ。
何度もなんども彼女に救われてきたし、強くなれた。