高次脳機能障害を抱えた妻をよくこの何年も、面倒み続けながら楽曲提供までやってこれたと思う。
曲がヒットしないことも、誰が言わなくとも本人が一番悩み苦しんできたことだろう。
過去にあれだけのヒットを飛ばした中で、それを上回るものなんて、絞りきった才能の残りとあの年齢で、そう出せるわけがない。
音楽に専念したってそう出せないのに、奥さんがあの状態じゃ、心病むよ。
心病んだら、グチ聞いて励ましてくれて体のケアしてくれる人が、心の拠り所になるのは自然なことじゃなかろうか。
男性としての機能はもう失ってると言っていた。肝炎を患い、介護疲れで心も疲弊して、加齢もあり、そりゃあそうだろう。
あの年齢にもなれば、肉体的な欲求じゃなくて、心の安らぐ相手とゆっくり話して心を委ねたいのは当たり前だろう。
昨年末からいつかすっぱ抜かれる予感がしていたというのも小室さんらしい。
それだけのカンの鋭さがあっても、人間らしい心の動きに振り回されてしまう感受性は、芸術家らしいとしか思えない。
一般のサラリーマンですら、働きながら妻の介護するのは並大抵のことではない。
天才は、天才らしく、自分の才能に没頭して介護は人に任せればよかったのに、そんなことをせずにここまで寄り添ってきたのは、小室さんの優しさあってのことだと思う。
どうか、逃げなどという世間の声に負けず、一旦心の充足を取り戻して欲しい。