2018-01-10

消えることにした

私が悲しい気持ちになった時、それがいつも表面に出るのは怒りという形としてだった。

対して彼女はいつも悲しみや傷付きにあふれていた。

すぐに泣き、被害を訴え、まわりはいつも彼女のためになにかしてやるのだった。

会うといつも少し悲しくなった。

何を言っても「そんなことはよくないこと!」と一蹴され、私の好きなことや新しいことはいつもけなされた。

矛盾をつくと泣きながら「あなたは私を傷付ける!人の気持ちが分からないのか!あなたは優しくない!」と言われるのだった。

私も私の正当性を主張したことがあった。

でもそれは彼女に届かなかった。

言いたいことを言う権利があるのはいつも彼女だけだった。

彼女タイミングでいつもシャットアウトされた。そして数日後にはしれっと何らかのお願いのための連絡が届くのだった。

彼女正義最初から決まっている。

私は意見しても意味がない、向き合うだけ損。話し合いができない。

そんなことに気づくのに10年もかかってしまった。あのとき距離を置けていたら違ったのかもしれない。



自分なりに慕っていたと思う。

今思えばいいように搾取されていたのに気付くのが遅かった。

私が大切にしているものを奪われ怒りをあらわにすると、いつもその怒りについてたしなめられるのだった。

そのたしなめが私の生活や嗜好をけなすものだったとしても、いつも被害者に設定されるのは彼女だった。私には怒る権利がない。

彼女が消えて欲しいと思った時に消えていないと、私はいつも怒られた。

少しずつ私は消えた。一生懸命消えた。

私が、私のものが、私の証拠が消えた。

大好きだったムーミンマグカップはいつのまにか捨てられていた。

それに気づいた日、私が泣きながら帰ったことを彼女は知らない。

一軒家にあるたったダンボール1箱の私の荷物邪魔邪魔で仕方ないと言われ、引き取りに行った。

こないだはついに書類上の名前邪魔だと言われた。

もう私は本当の本当に彼女の前から消えることにした。


さようならお姉ちゃんだったひと。

母が言った「でもあの子は正直だから」という言葉を、私は一生忘れないと思う。

だって一生懸命、よく生きようと生きてきた。

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