全然関係ない話からいきなり在日はどうこうという話をしだしたり、嫌いな食べ物はキムチで理由は韓国の代表的な食べ物だからと主張したり。
腕に張り付けた湿布は在日を追い出すポスターを毎日貼っているせいだと主張したり、と結構言いたい放題の人だった。
周りの人はみんな彼を避けていた。だから同期の自分に話がよく回ってきていたんだと思う。
職場には毎日ラジオが流れていて、時計の時刻以上にラジオの音を時報代わりに使っていた。
昔からずっとTBSが流れていたらしいのだが、どうにも彼はTBSのラジオが気にくわないらしくすごく不機嫌そうに仕事をしていた。
たまに、ラジオの音声があまりにもイライラするので仕事が手につかない、局を変えてくれと抗議をしていたらしい。
何度かの抗議があったが、結局ラジオは変わらずTBSのままだった。
社長はともかく、先輩は最近入った新人たった一人の思想の問題を仕事場に持ち込まれては困る、という話をしていたのを思い出した。
ネトウヨどうこうという話を見るたびに彼を少し思い出す。
自分はもうやめてしまった職場で、彼はいまも一生懸命仕事をしているんだろうか。
同時に、マイノリティとされている思想を持つ人他の人は、自分の思想と合わない職場に鉢合わせたときにどう局面を乗り越えていくんだろうか、と思った。