頭皮もそうだけど髪の話ではない。
まず第一に、物事に対する正しい理解ができるまでにとてつもなく時間を要するようになった。
以前なら与えられたヒントをいくつか見ただけで、提示されてないヒントを仮定しつつ物事を証明するのは容易だった。
例えばトラブルが発生すれば、与えられた条件を切り分けて原因をいくつか想定して、他に起こりうる症状を仮定しながら原因を特定していくのが得意だという自負があった。
ところが、同じつもりで取り組んでいるのに、与えられたヒントを間違った解釈のまま固執してしまい、最近では一向に原因にたどり着けなくなってしまった。
あとになってみれば顔が赤くなるほど自分が誤解していたことに気づく。わかってしまえばなんでもないことなのに、そのときはその考えから逃れられなくなってしまうのだ。
新しいことに挑戦することもとても苦手になってしまった。
いままで経験したことのないようなものが目の前に出てくると、まるでモザイクがかかったかのように頭に入ってこなくなってしまった。
いままではそういう人間を散々に見下してきた。
頭の善し悪しよりも、努力が足りないだけだと思っていた。
ところがどうだろう。
頭では理解できているつもりなのに、体が拒否反応を示すように理解を変えることが難しくなってしまったのだ。
40なんてまだまだこれから活躍しなくてはいけない年代だというのに、これは焦る。
人生計画ではあと数年で独立して、世の中にイノベーションを起こしてやるくらいのつもりでいたのにだ。
世の30代に伝えたい。
40を過ぎてからは思った以上に老化が早いぞ。気をつけろ。