アートを鑑賞するにあたり、当たり前のようだが絶対に必要なものがある。
それは安全だ。
絵に触れないよう、手が届きそうな前衛的アートでも学芸員さんが数人いて対象物を見守っている。
痴漢行為が行われた空間を提供したことを謝罪するかと思われたが、想像の斜め上をいっていた。
なんと観客を非難したのだ。
来場者の予期せぬ出来事
“床のタイルを剥がす、壁を執拗にたたく、ドアを無理やり開けようとするなど”
剥がれやすい床のタイルなど、暗闇なら危険そのものではないか。
沢山の人々が行き交う場所で一番安全を考えているのはディズニーランドだ。
ディズニーランドのタイル床は、剥がれないように設計されているだけではなく、タイルの角まで削られている。ユーザーが怪我をしないようにだ。
それだけの制約では暗闇のなかで何をしてもいいのかと思われる。
それとも善光寺のお戒壇めぐりみたいにこのドアのあるべき鍵を探そうか?
壁を叩いたら、他の人が反応してくれた。私は一人ではない。これがこのアートの解釈か?
アートを謳っているのであれば観客の想像力を無視してはいけない。
観客の安全面も守られない展示物は、公共の場に出してはいけない。
それはアートではない。