むかしむかし、モレツ帝国勃興前。増田アースのある国に、蛮丁と呼ばれる大王がいた。
彼には言語能力に問題があり、意味不明の一言しか発することができなかった。
この時代はまだ文字もなかったから、絵と語調だけで家臣に意図を伝えるのである。
自分は奇妙な暑苦しい格好をしており、四角い白い箱の前で娘がしゃがみ込んで作業していた。
「!?」
その姿に何やら衝撃をうけた蛮丁は寝起きに急いで絵を描くと、
「パンティー!」
と大臣たちに絵をつきつけて娘を探させた。
草の根を分けて捜索された絵に似た娘はなぜか蛮丁の意図を正確に察することができた。
彼女は蛮丁の夢に従って、よくわからない作業をさせられることになった。
この娘のすごいところは夢の意味不明な行動に意味を見つけ出して、ついには文字なき国に書類処理を導入したことであった。
「パンティー(昇進だな)!」
こうして娘は位を極め、令尹の地位にまで登りつめたという。
なお、蛮丁は新発明の文字を読めるようになったが、やはりパンティーの一語しか書けなかった。
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