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妻「瀧くんが偶然にも飛騨の山中まで来てくれたから良かったものの、そうでなかったら、三葉ちゃんは死んだままなんでし、町も全滅なんでしょ。水宮一族が1200年もかけて引き継いだ仕組みも、そんな危ない賭けにすがるなんて、おかしくない」
私「・・・じゃ、どうすればいいと思うの?」
妻「えっ、だって、瀧くんと入れ替わったときに、少しでも自分のことを調べればよかったじゃん。google mapをみて、自分の町がどうなっているかでもいいし。そうすれば、彗星事故のことに気が付くだろうから、あとは自分に戻った時に、お父さんを説得すれば良いだけじゃない。わざわざ瀧くんに来てもらわなくても、事故からは回避できるじゃん。」
私「うーん、三葉ちゃんは2016年だとは気が付いていなかったんだし」
妻「そんなのありえない。携帯で日記を書いているんだよ。気が付かないほうがおかしい」
私「。。。あと、お父さんだって、入れ替わった瀧くんが目の前に一度現れたからこそ、二回目には避難指示を出してくれたのではないかな」
妻「お父さんだって、水宮一族には、入れ替わり能力があることは知っているんでしょ。将来を予知できることを知っているってことでしょ。だったら、あとは説得の仕方だけだと思うけどなぁ」
私「では、糸守町を守るという観点からは、どういう入れ替わりがよかったのかな」
妻「そうね、三葉ちゃんの入れ替わり先は、東京のイケメン同級生である必要はまったくない。いや、むしろ、混乱させるから良くないだけ。むしろ、48歳サラリーマン♪とかのほうが、違いにすぐ気が付いていいのではないかな」
私「でも、そんなのだったら、瀧くんとは出会いという甘い話がなくなっちゃうじゃん」
妻「あぁそれは大丈夫。運命の糸でつながっているのであれば、どのみち出会うはず。だって、私たちだって出会ったでしょ」
私「。。。」