ギザギザが私の家にやってきて3ヶ月になる。
初めのうちは、私もギザギザも互いに警戒してろくに近づきもしなかったが、慣れると早いものだ。
最近は、私が仕事から帰ってくると玄関へ出てきて尻尾を振ってくれるようになった。
私も出迎えてくれるのが嬉しいので、思いっきり抱きしめることにしている。
ギザギザの尻尾は文字通りギザギザしているので、抱きしめると少し痛いのが玉に瑕であるが。
私が帰宅してから最初にやることは、ギザギザにご飯を食べさせることだ。
ギザギザは何でも食べる。人間が食べるものはもちろんのこと、ビニール袋やチラシやダンボールでも食べてしまう。
皿を落として割った時に、破片をペロリと平らげてしまったのには驚いたが、それでも平気な顔で「もっとちょうだい」とねだってきたこともあった。
今日のご飯は、会社から持ち帰ってきた、シュレッダーにかけられた紙の束と、スーパーで買ってきた猫の缶詰だ。もちろん缶詰本体も大好物である。
ギザギザが、そのギザギザした大きな口を広げてご飯を食べる姿は見ていて気持ちがいい。
ギザギザはまだ子供らしく、どんどん成長している。家に来た時はチワワくらいの大きさだったが、今は柴犬くらいはあるかもしれない。
どこまで大きくなるのかはわからないが、あの食べっぷりを見るに、まだまだ成長するに違いない。
最近、寒くなってきたので、ギザギザと一緒に寝るようになった。
ギザギザの毛は少しチクチクするが、一緒に寝るととても暖かい。
そして、朝はギザギザが起こしてくれる。といってもご飯が欲しいから私を起こすだけなのだが。
出勤時には玄関まで来て、少し寂しそうに私を見送ってくれる。そして私は、今日はどんなギザギザした食べ物でギザギザを喜ばせようかと考える。
ギザギザが家に来てから、毎日が楽しくて充実していると感じている。
ひきだしにテラリウム | 九井諒子 の中で図形を食べる話があったの思い出した