202X年、かつて猖獗を極めたポリコレは衰亡に向かい、人々は精神の自由を取り戻しつつある。 けれども奴らはやってくる。 フェミニストは死んだ。人間の本質である性的欲求を否定し抑圧するから、我々が殺したのだ。 ホモは死んだ。権利を主張し、アメコミヒーローをホモにしろと喚き、子供を作らず社会の害悪であるという客観的な事実を指摘すればポリコレ棒を振りかざして言論弾圧するから、我々によって全員殺されたのだ。それにホモは気持ち悪い。 左翼も殺した。差別を許さず、自然な思考を妨げるからだ。 人々は叫ぶ。 「イスラム教徒はテロリスト、朝鮮人を日本海に叩き込め、差別も戦争も許される、左翼の弾圧に屈するな、自然な感情を取り戻せ、誰にも我々を否定することはできない」 我々は自由だ。ポリコレの居場所など、この世のどこにもない。 けれども奴らはどこからともなくやってきて、耳元でささやくのだ。 「そんなことを言ってはいけない。よく考えろ。無実の人まで傷つけてはならない。目標を現実で覆い隠してはならない。」 どこにいるのだ。出てこいポリコレ。左翼はいつもこうだ。陰に隠れて我々を否定し、説教を垂れるのだ。 思考は自由だ。誰にも邪魔はできない。 「ホモは害悪!女は馬鹿だ黙ってろ!イスラム教徒を殺したい!朝鮮人を殺したい!これが自由だ!」 ポリコレは音もなく去っていく。 家々は扉を固く閉ざし、反ポリコレ棒を磨いてポリコレの来襲に備える。 なぜ我々がこんな目にあわねばならぬのか。なぜそんなに自由を敵視するのか。 姿を見せろポリコレ、お前はいったいどこにいるのだ