2016-07-13

ハードボイルド

ハードボイルド作品や男の美学本質的人生観に迫るような作品は見ると好きになることが多い。

ただ、そういう作品はまさに男が惚れる男が主人公なので作中の女にもモテるし、恋愛系な軟派な展開とか話が挟まれ、その度に水を差された感じで萎えることが多い。

特に洋画なんかはキスシーンやラブシーンなどが入れる義務があるのかというくらい高確率で挿入されるので、結局格好の良いと思ってたこの男も性欲には媚びへつらいながら生きてるんだな…と少し幻滅してしまうし、結局「男」というのを恋愛のあれこれで描くことから逃げられないのか…とも思ってしまう。


最近世代じゃないからいわゆる有名シーンや名言しか知らなかったあしたのジョーアニメ原作をまともに見る&読む機会があった。

主人公ジョーも一応複数の女から好意を寄せられている、寄せられていたという描写があるのだが、ジョー美学燃え尽きることに人生を捧げ生きる本物の男なので、まともに恋愛らしい関わり方をするシーンはないまま終わる。

そしてドギツイまでの重厚世界観ドヤ街雰囲気なども相まって軟派な描写特有の変な浮つきを与えず水を差させない。

ここまで完成度高く昇華された、ハードボイルドな一人の人間人生美学を扱った作品は他にないんじゃないかと思った。


ただ、そんなジョー恋愛をするとしたらサチが最も二人とも幸せになれる相手だよな…と思う。

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