そんな疑問が始まりだった。
わたしの周囲にいる人間は何に憚るでもなく感情的になる人間ばかりだった。
嫌なことがあればすぐに嫌だと口に出し、気に入らないことがあればすぐに気に入らないと首を横に振った。
全員がいい大人なのにもかかわらずだ。
それなりの立場にいることもあって、それに周囲が合わせることが当たり前になっていた。
それに、そんな人間なんて適当に合わせてればよいと思われてしまうことにもなりかねない。
そうした態度でい続けられるのも、わたしが周囲との間にはいっていろいろなことを調整してきたからだ。
それが原因でますます駄目な人間になっていくというのであれば、わたしのやっていることは悪だ。
だからわたしは、いちいち相手の気持ちなんて考えないで、思ったことを素直に口に出し行動するようにしたにすぎないのだ。
ところがだ、あれよという間に周囲の人間は更に態度を硬化させていった。
優しく言ってもわからないのだからはっきりと間違いを指摘してやったにすぎないのだ。
そんなわたしに対し、攻撃はさらに激しくなっていく一方だった。
だからわたしの反撃も激しくなっていった。もう譲る気はさらさらない。
今までしていた調整役もしていないのだから、物事の大半はうまくいかなくなり周囲もどんどんとストレスを貯めていった。
そんな環境の中で、1ヶ月もするころにはわたしは疲れ果てていた。
今まで許していた周囲のわがままに付き合うことをやめただけなのだ。