2015-10-08

図書館で逃した恋

地獄入り口を見た。

20歳過ぎの頃、閉館間近の図書館で好きな作家の本を選んでいた時、ふと名前を呼ばれた。

後ろを振り返ると小学生の頃好きだった彼がキラキラした笑顔で「久しぶり、図書館にはよく来るの?」と話しかけてくれた。

私はビックリしてしまい、目の前が真っ白になりうまく返事が出来ずその場から去ってしまった。

しょうがない。男性からしかけられる事はずっと無かったし、免疫はないし、ドキドキして声なんか出なかった。

それから、家に帰って本を読んでいるとなんて悪い事をしたんだろう。と罪悪感がふつふつ出てきて、今度会ったら絶対に謝ろう。と決心して早10年。

図書館に通い、読んだ本は数知れず、司書さんより本読んでる自信あるけど彼には未だに会えない。

そんな時、地獄入り口を見た。

ふとした時、フェイスナンタラというブログで彼を検索した時、素晴らしい笑顔の彼と白無垢着た女の人が写っていた。

彼は企業し、順調に仕事をし高層タワマンに住んでいた。

一人しかいない友人(友人からしたら私はただの知人)からよくよく聞くと、どうやら彼は私の事が好きだったみたいだ。

彼氏いない歴年齢のアラサー女の哀れな姿がパソコンうつっていた。

もし、あの時、素直に声をかけていればどんな人生になっていたのか。

うまくいく関係なく、私は青春を感じていたに違いない。

今は好きな感情より、悪い事した気持ちが強い。一言謝りたかった。

未だに夢に出る。未練がましい、惨めなアラサー。救えねぇな。

あー、フェイスブックなんて見なけりゃ良かった。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん