2015-08-11

思い出せない。

うちのマンション風呂場で、竹中直人が倒れていた。

驚いて風呂から引っ張り出し、鼻の下に手をやると、どうやら息をしていない。

戸惑いながらも、とりあえずテレビとかで見た胸骨圧迫ってのをやってみた。

これで息を吹き返さなければ、口から直接空気を吹き込まねばならないのか?

それはちょっと嫌だな。

とか思いながら胸骨圧迫を続けていると、竹中直人は、ふう…と大きく息を吐いた。

どうやら息を吹き返したようだ。

でも、竹中直人は目覚めない。

119番に電話をかけた。

交換手のお姉さんが出て、今夏は熱中症の人の搬送などで忙しく、到着まで20分から30分はかかると言う。

じゃあ結構です、とは言えないので、それでもいいのでお願いし、電話を切る。

それにしても、何故、竹中直人がうちのマンション風呂場にいたのかがわからない。

別に知り合いじゃないし。

聞こうにも竹中直人は目覚めないままだし。

とりあえず、救急車が来るまでの間に腹ごしらえだと思い、マンションの1階に入っている定食屋に行った。

カウンターランチを注文して待っていと、宅配便のお兄さんが入ってきて、荷物を届けてくれた。

この前、Amazonで注文した「マッドマックス怒りのデスロード」のメイキング本だ。

受取りのハンコを捺していると、さらに2,3人、宅班便のお兄さんが担架を担いで入ってきて、「救急患者はどこですか?」という。

「え?」と思いながらも、自分の部屋に戻り、まだ倒れたままの竹中直人を担架に乗せて運んでもらう。

マンションの前の道路まで出ると、そこに止まっているのは救急車ではなく、宅配便トラックだ。

担架に固定された竹中直人は、トラックの荷台に荷物と一緒に乗せられた。

救急車が足りないとき宅配業者がこのような作業を請け負っているのだと初めて知った。

しか宅配便のお兄さんたちは医療の知識があるのだろうか?

ずいぶんと雑に担架を積み込んでいたように見えた。

僕も同行を求められるのかと思ったが、何も言われず、トラックはそのまま走り去って行った。

定食屋に戻ると、カウンターの上でランチは冷めていた。

マスター事情を話した。

「実は僕の部屋の風呂場で竹中直人が倒れていてさ。竹中直人と知り合いでもないし、なんでか全然わかんないだよね」

そしたら、マスターは答えた。

「あー、それはアレだ。このマンションには以前、○○、更にもっと以前には、△△が住んでいたからだ」

夢の中では、その名前はハッキリと聞き取れたのだけれど、目が覚めてみると、どうしても思い出せない。

とても気になる。

  • 分かる!分かるよ、ネタが迸る感覚が時を超えてキーボードを打つ、、あぁ時が見えるよララァ でも、おしい、誤記が1か所あった。ガンバレ。あと夢オチじゃなくて、ちゃんとした落...

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