驚いて風呂場から引っ張り出し、鼻の下に手をやると、どうやら息をしていない。
戸惑いながらも、とりあえずテレビとかで見た胸骨圧迫ってのをやってみた。
これで息を吹き返さなければ、口から直接空気を吹き込まねばならないのか?
それはちょっと嫌だな。
とか思いながら胸骨圧迫を続けていると、竹中直人は、ふう…と大きく息を吐いた。
どうやら息を吹き返したようだ。
でも、竹中直人は目覚めない。
119番に電話をかけた。
交換手のお姉さんが出て、今夏は熱中症の人の搬送などで忙しく、到着まで20分から30分はかかると言う。
じゃあ結構です、とは言えないので、それでもいいのでお願いし、電話を切る。
それにしても、何故、竹中直人がうちのマンションの風呂場にいたのかがわからない。
別に知り合いじゃないし。
聞こうにも竹中直人は目覚めないままだし。
とりあえず、救急車が来るまでの間に腹ごしらえだと思い、マンションの1階に入っている定食屋に行った。
カウンターでランチを注文して待っていと、宅配便のお兄さんが入ってきて、荷物を届けてくれた。
この前、Amazonで注文した「マッドマックス怒りのデスロード」のメイキング本だ。
受取りのハンコを捺していると、さらに2,3人、宅班便のお兄さんが担架を担いで入ってきて、「救急患者はどこですか?」という。
「え?」と思いながらも、自分の部屋に戻り、まだ倒れたままの竹中直人を担架に乗せて運んでもらう。
マンションの前の道路まで出ると、そこに止まっているのは救急車ではなく、宅配便のトラックだ。
担架に固定された竹中直人は、トラックの荷台に荷物と一緒に乗せられた。
救急車が足りないとき、宅配業者がこのような作業を請け負っているのだと初めて知った。
ずいぶんと雑に担架を積み込んでいたように見えた。
僕も同行を求められるのかと思ったが、何も言われず、トラックはそのまま走り去って行った。
「実は僕の部屋の風呂場で竹中直人が倒れていてさ。竹中直人と知り合いでもないし、なんでか全然わかんないだよね」
そしたら、マスターは答えた。
「あー、それはアレだ。このマンションには以前、○○、更にもっと以前には、△△が住んでいたからだ」
夢の中では、その名前はハッキリと聞き取れたのだけれど、目が覚めてみると、どうしても思い出せない。
とても気になる。
分かる!分かるよ、ネタが迸る感覚が時を超えてキーボードを打つ、、あぁ時が見えるよララァ でも、おしい、誤記が1か所あった。ガンバレ。あと夢オチじゃなくて、ちゃんとした落...