たぶん、どんな人もそういうことはあるとは思うんですが。
猛烈に不安な気持ちになったり、過去の失敗とか恐怖が蘇ってきたり。
ウチは結構早い時期に両親の不仲で片親になったんですが、とにかく毎日大きな声で喧嘩してたし、物も良く飛んだし壊れもした。
母親は本当にヒステリーだったから、刃物とか持ち出したりもして。
いつか、どっちかが死ぬんじゃないかって怖かった。
そういうこともあってか、人の怒号とか大きな物音が聞こえると心臓が絞まっていく感覚がして凄く苦しくなる。
一年前、仕事がなくてどうしてもお金が必要で、だからちょっと時給が高めだったこの仕事を選んでしまった。
仕事の仲間は凄くいい人たちだ。
だけど、この仕事を続けていくのは根本的に無理だと思っている。
人数的に、今自分が辞めてしまえばシフトも回らなくなって困るだろうし、こんな自分でも多少なり役には立ててると思う。
だから常に「いつ辞めるって言おう」ってそればっかり考えてしまう。
全然仕事に向き合えてないから、頑張ってるみんなに申し訳なくて上手く笑えない。
この仕事を辞めるってことは、自分の苦手なことから逃げるってことだと思っている。
本当は克服するべきなんだと、いつまでも人の強い語気に泣きそうになってる場合じゃないということも分かっているのに、どうしても怖くて辛い。
任されるクレームの質が段々と濃いものになって来ていて、これ以上のことを考えると絶望的な気持ちになる。
三十半ばで逃げてばっかりで今まで何回か転職してきて手に残ったものは何もなかった。
また逃げて、また同じことを繰り返すのなら、何処に逃げても無駄なんだとも思っている。
怖いものはどこにでもある。きっと。