沖縄県名護市の稲嶺進市長は九日の記者会見で、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)
移設に向けた名護市辺野古(へのこ)沿岸部の埋め立て工事について、市長の権限を使って抵抗する考えを示した。
国は昨年末、仲井真弘多(なかいまひろかず)知事から、埋め立て承認を得たばかり。地元の市長に「待った」
Q 稲嶺氏の考えは。
A 稲嶺氏は辺野古埋め立てについて「工事には市長の権限が必要なことも多い」と言っている。法的に
認められた市の権限をできる限り使い、工事に入らせないようにする覚悟だ。市役所内の各部署に対して、
工事に関係する権限がどれだけあるか洗い出すよう指示している。
Q 具体的にどんな権限があるのか。
A 基地を建設するために埋め立てる面積は百六十ヘクタール。東京ドーム三十四個分の広さになる。
国は建設予定地近くの漁港周辺を埋め立てて、資材を置く作業場や取り付け道路を造る計画だ。漁港の管理者は市なので、
使うには市の許可が必要。埋め立て時に海岸を使うのにも市の許可がいる。トラックやダンプといった
特殊な大型車両が市道を通る際にも、許可がいる。市の権限は十項目ほどに上るとみられる。
Q 市が権限を使えば、埋め立てを止められるのか。
A 市に工事そのものを中止させる権限はないが、影響を与えることはできる。例えば市が漁港の使用を
認めなければ、国は漁港を使わずに工事を進めなければならず、計画を大幅に変える必要に迫られる。
もし市道を使えなければ、資材を埋め立て工事現場まで運べないため、国は使用許可を求めて裁判所に
訴えなければならない。市にとっては国と全面対決することになるが、本気で止めようとすれば、工事の大幅な
遅れが予想される。
Q 間もなく名護市長選だ。
A 十二日告示、十九日投開票で行われる。もちろん、基地建設の是非が最大の争点。野党各党が支援する
反対派の稲嶺氏と、自民党が支援する容認派の末松文信前県議の一騎打ちとなる見通しだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014011002000137.html
時間が経てば経つほど
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