いろいろあって10/1から専務となる。勤め始めて19年目のでき事だ。
部長を5年、取締役部長を2年。で、専務。200人程度の小さな会社だけれど、専務である。まさか自分がチョビ髭になるとは思いもしなかった。
飲み屋に名刺をピンで刺しちゃうよ? 心の中で「部長とは違うのだよ、部長とは」とか思っちゃうよ? と考えていると自分が専務になった実感がわいてきた。薄っぺらいけど。こんな文章書いちゃうのにね。
部長の仕事は全部手放すことになりそうだ。そういう一部門だけ見る仕事ではないし、なんつーか、社長の相談相手みたいなもんらしい。社長と話が合わないわけではないが、俺に相談してどうするんだろう。いまからどきどきする。いままでも相談されたことはあったけど、もっと込み入った相談とかされるんだろうか。変わらないんだろうか。
そして思うのは、残念なことに最近入社した子たちが19年で専務になれるとは思えないことだ。これは能力の問題ではなく、単に組織としてのキャパシティの問題だ。ここ10年で入社した子たちは課長になるのも苦労するだろう。小さな会社でも小さいなりに組織ではあるし、下に行くほど人が多いというのは、そういう結果を導く。創業35年の会社でも組織は三角形を作り、下の者にはチャンスは薄い。単に前後の問題だ。どれほど自己啓発や能力向上、ライフハックに努めても組織にいる以上は力学がある。その力学は下に引き寄せる力と上から押さえつける力が強い力場だ。三角形が大きくなればなるほど力場からの影響が大きくなる。大きな三角に飛び込み、その力場と戦う能力と覚悟のあるものは、そこを戦場とすべきだ。自分に合った戦場と出会えるか、というのは運意外に決定づけるものはない。
今年から俺も面接する側なんだなぁ、と思うと、そういったことを感じずにはいられない。ネット上の「意識の高い人」は戦い方ばかり教えていて、どこで戦うべきかを教えていない。誰もが呂布ではないし、努力すれば呂布になれるものでもない。呂布は最初から呂布だし、呂布であろうと努力もしていない。いま就活の人に伝えたいのは、もっとちゃんと自分を見て、よく見せようと努力することじゃなくて、見せる人を選ぶことだということだ。企業はまず就活生側に選ばれているということを忘れてはならない。
若い子はその分さっさと経験積んでもっと良い会社に転職するまでだよ