小選挙区制度を導入して相当期間経過したが、まだまだ日本人は、この制度を「うまく使いこなしていない」と思う。
小選挙区制度の弊害として、「死票が多い」「民意の振れ幅が過大に増幅されてしまう」ということが言われ、
実際、得票率ではさほど振れ幅ないのに、
2005選挙で自民圧勝⇒2009選挙で民主圧勝⇒2012選挙で自民圧勝、と振れ幅が増大している。
振れ幅増大の弊害は散々言われているので自分は敢えて書かないが、小選挙区制度で
「あまり取り上げられない弊害」があるような気がする。
それは「中選挙区制や比例代表制と比べて、落選議員の発生率が高まる」、
ことに「キャリア途上での落選確率が高まる」ため、政治家の育成ローテーション途上で落選の憂き目に遭ってしまうので、
「政治家がうまく育ちにくい」という弊害があるような気がする。
定数4程度のかつての中選挙区制であれば、定数4に対して、有力候補はまあ6~7人程度で、
競争率は2倍も行かなかった。
なので、そこそこ実績積んだ議員(当選3回以上)であれば、そんなに落選の心配もなく、
大臣等を目指すことが出来る。
しかし、今の小選挙区制だと、定数1に対して、有力候補は最低でも2、今回の選挙では3なんてケースもあった。
となると、競争率は2~3倍。
比例重複立候補で多少は救済措置はあるものの、トータルでは、競争率が激化している。
なので、多少実績を積んでいる議員でも落選の憂き目に遭いやすくなり、
逆に言えば、「(波に乗れた政党側は)新人議員が当選しやすい」ということになり、
「政治家志望者の門戸を広げている」と言えなくもないが、
いわゆる「2005年=小泉チルドレン」「2009年=小沢チルドレン」、
今回の場合は「安倍チルドレン」と称するのかどうか知らないが、
この手の「チルドレン」も、結局次の選挙に逆風で落選し、政治家として育成されないケースの方が多いのでは?
その典型が「杉浦太蔵」だったりする。
「チルドレンの人生」を考えてあげれば、今みたいに「1期だけ、政治家味わわせて上げます」的制度は、
彼らの人生を誤らせるのでは?
中選挙区時代のように、多少入口のハードルを上げてやった方が、政治家志望者にも、トータルではプラスな気がする。
ということで、
まあ、どんな選挙制度にも欠陥はあるからねー。というか、今、小選挙区制を批判してる連中って、自分が応援してた所が勝てなかったが、しかし自分の支持した政策が他の国民に支持...