足を折った。
ぶつけた瞬間、
「これは折れてるかもな」
という予感はした。
なんとか靴を履いて外に出た。
タクシーを呼んだ。
タクシーを待つ間、自転車に乗る中学生を捕まえ、向かいのコンビニで氷と包帯を買ってもらった。
10km以上は走った。
けっこうな額が吹っ飛んだことを覚えてる。
後日、整形外科に来て欲しいと言われた。
保険証を持っていなかったので、とりあえずその場は全額を支払った。
そして、やはりタクシーで帰った。
金曜の夜だったので、月曜日になり、やはりタクシーで病院に行った。
この病院では手術が出来ないとのことで、違う病院を紹介された。
そして、タクシーでまた10kmほど走って、紹介された病院へ。
タクシー代というのは、たいして良い給料をもらってるわけでもない、普通の20代の一人暮らしをしてる俺にとっては重かった。
車が運転出来ない状況では、タクシーが唯一の足だ。
電車もバスも、都市間をつなぐもので、日常の足ではありえない。
手術が必要だという。
手術日を指定され、その前日にもう一度来て欲しいという。
やはりタクシー。
怪我をした話というか、タクシーに乗りまくった話になってしまった。
でも、こういう事態は、あと何十年後かは日本中に起こるんだ。
運転が出来ない単身の高齢者が病院に行くためには、タクシーしかないだろう。
足の怪我じゃなかったら大丈夫という話じゃない。
80歳、90歳になっても運転をさせればいいというのか。
とか、そういうレベルの問題じゃない。
田舎での生活は、怪我や病気をしたら送迎してくれる家族、年をとったら介護してくれる家族がいて成り立つ。
単身者にはつらい。
大変だったね。 高額医療費を請求する時、病院までのタクシー代も出るから、 領収証取っておいて年末に確定申告するといいよ。 自分も中途半端な所に住んでる。 数少ないバスを探...