「決まりだから守らなければならない」というトートロジーの一形態でしょ?
いいえ。
問題になるのは「選挙制度の根幹」ではなく「三権分立」であり「法治主義の原則」なのです。
「決まりだから守らなければならない」というのは、(少なくとも自由主義的な)民主主義においては大原則なのです。
「なぜ民主主義は法治主義を原則とするか」というのは色々歴史的な教訓と理論があるのですが、そこは割愛。
「法治主義が正しい根拠は?」というなら、あえていえばそこに論理的な根拠はありませんが、そこが「主義」というものです。
トートロジーではなく、民主主義のイデオロギーとして法治主義なき民主主義はなりたたないのです。
もちろん「一票の格差ばりばり」な選挙制度があっても別にかまいませんし(実はアメリカはじめ、民主主義国ではよくある制度です)、
その方が上手く政治が廻ることだってありえますが、その状態を実現しようとするなら、憲法を改正して
「一票の格差があっても違憲状態にならないようにする」のが民主主義の筋なのです。さらに実践面からすれば「法治主義」が失われた
議会政治はほぼ不安定化して崩壊する、という経験則もあるため「民主主義者」は必ず「法治主義」を守ろうとするのです。
なお憲法改正と別の方向として、
「違憲判決なんか放置しよう、それで民主主義が壊れても別にいいじゃん」という方向もそれはそれで筋は通っています。
(良く誤解されていますが、民主主義が特に優れた制度であるという論拠は特にありません)
「民主主義を維持するために違憲状態を解消する/もしくは逆に憲法の方を改正する」か「違憲状態を放置して民主主義やめてもいい、と腹を括る」か
2つしかないのです。
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