2011-11-10

「脱Flash化、HTML5化に沸く一般層」と「それに冷ややかなFlasher」

噛み合わない議論っていうのは、大抵「言ってること」と「その裏にある真意」が異なっていて、後者を上手く汲み取れていないという理由で発生することが多い。

こと、最近の「脱Flash化、HTML5化に沸く一般層」と「それに冷ややかなFlasher」の対立構造も、それだろう。

一般層は、

Flashが無くても HTML5で代用できるよ!」

Flashは電池喰う!HTML5は喰わない!」

と(解説記事を鵜呑みにして)喜び、

それに対してFlasherは、

HTML5表現力はFlashには遠く及ばんよ」

HTML5で電池喰わんのは やってるコトが地味だからだよ、Flashと同じコトしたら喰うよ」

「むしろ同じことするなら、Flashの方がパフォーマンス良く、電池も喰わないよ」

と、相手にしなかった。

ここに、「噛み合わない議論」が発生していた。

本質的に考えれば、HTML5Flashも、「実現の手法」でしかない。

なので、製作者側がギャーギャー言うのはともかく、一般層がどうのこうの言うことは無いのである

それでもメディアは「HTML5の登場でFlash要らない!」と煽り民衆はそれに沸いた。

HTML5自体の全体像がモヤっとした中で、またHTML5を完全サポートする環境が全ての層に行き届いているとは言い難い状態で、この「FlashHTML5」の流れは歓迎された。

まり、「HTML化」が喜ばれたワケではない。「脱Flash」が喜ばれたのだ。

Flashは、嫌われていたのだ。

ではここで言う「Flash」とは何を指しているのか?

結論から言うと、「Flashプラットフォーム」そのもの意味してはいない。

一般層において、Flashプラットフォームそのものが(同様の機能を実現する 他の選択肢比較して)嫌われる理由はない。

Flashプラグインフリーであり、インストールも極限まで容易にしてある。プリインストール環境も多い。

Flashは、(少なくともここ7~8年における)「ブラウザ上で派手なことをする手法」のデファクトスタンダードであった。

一般層が嫌った「Flash」とは、この「ブラウザ上で派手なコトをすること」全体を指しているのだと思う。

民衆は「ブラウザ上で派手なコトすんな!」という意図で「脱Flash化」を喜び、

その真意を汲み取らなかった(或いは聞こえないフリをしていた)Flasherは「派手なコトするんだったらHTML5Flashに劣るんだってば!」…と、噛み合わない議論を続けていたのだ。

民意は、

「ド派手は表現は要らない、表現はソコソコ(現行のHTML5で無理なくできる範囲)でいいから、電池喰わないで」

だったのだ。

からこそ、我々開発者は 注意しなければならない。

例え今後、HTML5表現力が飛躍的に向上したとしても、それでド派手なことをやってしまっては、結局嫌われるのである

華やかさは必要かもしれないが、派手さは求められていないのである


……というのは、私がここで改めて言うまでもなく、

(私を含む)Flasher/元Flasherが、ここ数年で 薄々感付いていたことだと思う。

薄々気付きつつ、気付かないフリをしていたことだと思う。

なんとなーく、皆が抱えているであろう、でも吐露されることはないジレンマを、書き起こしてみた。

  • なんかよくわかんねーけど、一般層は「脱FLASH化、HTML5化に沸いて」なんかいないし、そんなもん知ったこっちゃねえぞ。 存在しない「一般層」を勝手に脳内妄想で作り上げて「民意」を...

  • というかすでにアドビがフラッシュのモバイル 諦めhtml5にするって断言したんだからもう終わりだろこれ

記事への反応(ブックマークコメント)

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