2023-04-10

青のオーケストラ

知人にすっごくいい漫画から!と薦められて読んだのだが、アマチュア弦楽器奏者としてつっこみどころが多すぎて困惑している。

まず、コンクールトップとるような子は普通高校部活オケには入らない。

音高にいくか、普通高校に進学したなら放課後個人のレッスンに明け暮れる。

……まぁでも漫画からね。なんらかの事情で「コンクールトップとるような子が、普通高校部活オケに入った」とする。

すると、そこで彼/彼女が感じることは……自分の音がどうこう……より、正直まず「周りの初心者との圧倒的なレベル差」をどう受け止めるか?ということだと思う。

はっきりいってコンクールトップとるレベルの子と、高校から初心者ではじめる子のレベル差は歴然……というかもう雲泥の差で、

彼/彼女はその「素人」に囲まれての全員の演奏で「どう高みを目指したらいいのか?」ということに少なからず頭を悩ませるはずだ。

悩ませない、一切気にならないならサイコパスすぎ、他人に興味なさすぎ、というかもはや音楽にも興味なさすぎなのでは???と言わざるを得ないが、本作の主人公は一切気にしていないようだ。

というかライバルポジ天才バイオリニスト少年もその点を一切気にしてなさそうで、「サイコパスが2人」みたいな状態しか見えない。

個人的にはもっとファーストバイオリン)の他のメンバーの面倒みるなりなんなりしてあげたほうがいいのでは……?と思うが、彼らは自分(とせいぜいヒロイン達)にしか興味がなさそうである

しかもそのオケで「まわりの楽器の音を聞く」とか当然も当然のことをやって「なるほど…!」みたくなっているが、

初心者はともかくこのレベルの子が「しらなかった…!」みたいになるのはあまりにも今更感がすぎる。今まで何やってたの???

さらオケでは個人個人がそれぞれの表現ばっかやっているようにみえる(優雅に…とは…妖しさ…とは…怒りを…とは…みたいなことの追究)が、そんな音色抽象的な議論には普通時間かけない。

そこには指揮者思想が色濃く反映されるはずだし、しいていえばコンマスパートリーダーがガッと決めて、音量から弓の位置から弾き方からもっと具体的に指示を出すところである

あと席順でそんなに一喜一憂しないよ……一番うしろに実力者を置くことも全然あるし、いろんなバランスで決まっていくから、前がいい!表がいい!てそんなに気にしない。

……まぁこれはオケによるのかなぁ。

ファンタジーからね、と思うと同時に、なんか「いい漫画だねー!」みたく言われてモヤってしまったので書いちゃったよ。

  • わかるわー。そういう「全体的にはおもろいはずの作品に、どうしても気になってしまって没入できない」ってあるよねー。 音楽ものだと、のだめが絶妙にバランス良かった(というか...

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