土曜午後、最寄りの郵便局の窓口が閉まる前にメルカリで売れた服を発送すべく、TV画面で観ていたNetflixを消し重い腰を上げた。
部屋着を脱いでベットに投げる。そのまま洗面台に向かい、水で適当に顔を洗う。
タオルで顔を拭き鏡の前の化粧水を取ろうとした時、自分の右手首にちいさな痣があることに気付いた。
青とも赤ともつかない色の丸い痣だ、昨日までは(多分)なかった。どこかにぶつけた記憶もない。
スマホ腱鞘炎とかいうやつか、いや多分違う、分からない。何だこれ、もしかして病気の前兆なのか。健康には人一倍気を使っているのに。
何故か涙が込み上げてきた、先程顔を拭いたタオルに顔をうずめ1分程泣いた。
先日、発達障害の診断を受けた。長年自己診断だったが遂に医者からお墨付きを貰った。ワーキングメモリがえぐいほど低い。
知ってたけど、なんやかんやで自分は普通であると思っていただけに軽く凹んだ。
先日、なんの気無しにピロリ菌の検査を受けたら陽性だった。若者の感染率は低いというし、なんやかんやで陰性だろうと思っていたので結構凹んだ。
子供の頃おばあちゃん家の裏山で湧水を飲んでたっけ。あれが原因か?子供の頃の美しい思い出の一つなんだけどな。
今度初胃カメラを受ける、正直怖い。
鼻から管を入れられることにではない、己の胃の中が見るも無惨な状態だったらどうしようという恐怖だ。
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コロナ禍で趣味の遠征が出来ないことで浮いたお金と時間を自分自身の身体のために使おうと思った。
これに関しては自分を褒めてやりたい。
ただことごとく引っかかってちょっと凹んだ、それだけだ。ADHD分かった以上、適切な対策を取ればいい。ピロリ菌もこの歳で分かって良かった、ありがとうロビン・ウォレンとバリーマーシャル。
私は腰を上げるのは人一倍遅い癖に、ひとたびスイッチが入ると一気に取り掛かる。そして電池切れを起こす。
今がそれだ、検査に検査を重ねてことごとく×を貰った。都度自分の身体と脳の真実に向き合った。
凹みはしたが刺激的な経験だ、ぶっちゃけ胃カメラ自体は結構楽しみなのだ。しかし今、手首の小さな痣でちょっと折れた。
好き好んで各病院の敷居を跨いだ癖に
度し難い、実に度し難い。
けどこうやって書き散らかしていたら少しメンタルが回復してきた。
手首の痣もよく見たらとても小さい、っていうかこれよく見たら火傷ではないか。こっちは身に覚えがあるぞ、いずれにせよ悪化したら病院で診て貰えば良のだ。
とりあえず手首の痣らしきものを氷で冷やしてみた、両手が塞がってしまったのでぼんやりと天井を仰ぐ。涙はもう乾いていた、窓の外からどこか惚けたガラスの鳴き声が2度ほど聞こえた。
郵便局の窓口には多分間に合いそうにない。