少し前に、子どもたちの声が騒がしいから保育園の設置に激しく反対するという住民運動があった。
自分は小学生の子どもがいて、週末の野球に一緒についていっているのだけど、練習をする学校が住宅街に隣接しているということもあり、音には結構気を使っている。というのも、数年前に(私達家族が参加する前に)チームの方に苦情があったそうなのだ。練習をする子どもの声がうるさいと。それで、練習は10時までは大きな声を出さずにやらないといけない。
記事を読んで、たしかに地域住民の顔を知らないなと思った。知らないことにより、相手が匿名化、具体的な顔が思い浮かばない「地域住民」というラベルになってしまっている。逆もまた然りで、相手からすると我々は「少年野球チーム」というラベルで認識されているということになるのだろう。具体的な顔が思い浮かばないと、双方の思いはすれ違うし、意見も過激になっていく。
小学校のグラウンドが使えない時に、行政の管理するグラウンドを借りて練習したことがあった。
立派なグラウンドだったが、これもまた住宅街に隣接していた。さすがに野球専用のグラウンドなので、声を出しても良いだろうと、大きな声を出させて練習していたら、グラウンド隣のアパートからおじさんが出てきて「年寄りが寝ている」「大きな声を出さないでくれ」「ここは声を出してはいけない場所だ」とクレームをつけられた。こっちはお金を払ってグラウンドを借りているわけで、グラウンドで声を出してはいけないという話は聞いていない。多少の押し問答になったが、結局こちらが折れることになった。こちらはグラウンドを利用する人が、そのときどきで変わるので、地域住民との交流とかは望めない。どちらかが折れるしか無い。住民が年をとることで、もともと気にならなかった音が気になり始めるということもありそうだ。
また別の話になるが、夏に地域のお祭を小学校のグラウンドでやっている。
まさしく地域住民が集まり、屋台をだし、ステージ上ではマジックやバンド演奏などの出し物をやる、わりと盛大なイベントだ。
昨年、ステージ上でのカラオケの最中に、警察がやってきて、お祭りを管理している地域の重鎮と会話をしていた。あとで聞いたところ、学校のとなりのマンションの住人から警察に通報があったそうだ。うるさいと。まさか地域住民のお祭りに対して、住民が警察に通報するとは思わなかった。
すごい時代になっている気がする。
どんな音だろうが外から室内に聞こえたらそれはもう騒音でしかない