2017-05-05

違和感の塵

仲良しの友人が二人いる。

一人は高校時代に同じクラスになり、それから何年も定期的に遊んでいる。

その友人づてに、ネットでもう一人の友人と知り合った。


二人は気が優しく、私の失敗をいつも許してくれる。

(失敗のほとんどは電話中の寝落ちだ)

たくさん話して、たくさん遊んだ旅行にも行った。二人とも明るく穏やかで下ネタが好きな、楽しい友人だ。


だが最近、何かが嚙み合わなくなってきたと感じる。


違和感があるのだ。ひとつひとつものすごく些細なことで、

私の心が狭いがために起きていることかもしれない。

具体的には、例えば予定調整だ。

二人はよく、「この日に〇〇をやろうと二人で決めたが、あなたはどうか」ということを尋ねてくる。

暇であれば参加するし、忙しければ断ってきた。

最初特に何も思わなかったが、一度だけ強い違和感が引き起こされた時があった。

旅行だ。

二人だけで旅行計画し、日程を決め有休をとり、そこで初めて私に「旅行に行かないか」と誘ってきた。


正直に言えば、非常にショックだった。私は間に合わせなのかと感じた。

この時は「次からは決める前に言ってくれ」と伝えることで私の気持ちは収まった。

良かれと思って誘ってくれたのだろう。旅行は実際楽しかった。


けれど、それからも予定調整に関してはあまり改善されなかった。そもそもそういう習慣がないのかもしれない。

話の流れというのもある。価値観の違いは発生して当然だ。


一つ気になると、すべて気になってしまものだと思う。

先日、自宅に二人が泊まりに来た。

私は職場飲み会があったので、あらかじめ鍵を渡して「先に入っておいてくれ」と伝えていた。

大して楽しくもない飲み会が終わり、「〇時ごろに帰る」と二人に連絡。

家についてノブを捻ると、鍵が開いていなかった。

それだけだ。たったそれだけで、その場に崩れ落ちそうになってしまった。

別に「鍵を開けておいてくれ」と頼んだわけではない。開いていないのも仕方ないことだ。当然かもしれない。

その、ほぼ当然のことがなぜか苦痛だった。


インターホンを押して友人を呼び、中に入ると、私のタオルちょっとしたイタズラがされていた。

好きなキャラクタータオルが布団に広げられていたという、他愛ないものだ。

荒らされていたわけでもなく、タオルを隠していたわけでもない。横の袋に、見つけようと思えばすぐ見つかるくらいの置き方だった。

そんなことすらももう嫌で仕方なかった。

酔っていたからかもしれない。最近仕事がつらく、ストレスを溜めていたからかもしれない。


優しくて素敵な友人だ。いつも私の失敗を許してくれる。

そんな二人の些細な、失敗とも呼べないような食い違いを、私は受け流すことができない。

もちろん、これからもずっと関係を続けたい。それは本心だ。


でも、もしかしたらそう遠くないうちに、私と二人は友人でなくなってしまうのではないだろうか。

それまでに私はどうすればいいのだろう。何を変えればいいのだろう。

この神経質で、怒りっぽく、他人にだけ厳しい性格矯正すべきだろうか。

口に出したりはしなくても、違和感はその都度頭をよぎってしまう。脳は素早い。


この違和感が積もり積もって、いつか口から飛び出してしまったら、友情の終わりが来る。

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