2013-01-27

自殺報道について

WHOの勧告を改めて読みかえしてみる。

自殺予防 メディア関係者のための手引き (日本語版第2版)

http://whqlibdoc.who.int/hq/2000/WHO_MNH_MBD_00.2_jpn.pdf

すべきこと

健康に関する事実提供する際の責任者は、注意深く行動する

自殺自殺未遂かということだけを報道する

・ 関連する情報だけを、同じページで提供する

自殺に代わる方法を示す

ヘルプラインや各地域の支援機関を紹介する

危険な兆候や、警告サインを知らせる

セルフ・エスチームの向上 (積極的な自己評価精神的苦悩から少年保護し、生活上の困難とストレス対処することができる)

学校でのいじめと校内暴力の防止 (不寛容から解放された安全環境の構築)

すべきではないこと

写真遺書を公表しない

自殺の詳しい内容や、方法報道しない

自殺の理由を単純化して報道しない

自殺の美化やセンセーショナル報道を避ける

自殺の名所などの表現を避ける

宗教的、文化的な固定観念報道しない

断罪しない

精神病汚名を着せない

ということなんだけど、今の桜宮高校の事件の報道はどうなんだろうね。大津いじめ、今回の体罰と、どちらも問題が大きく取り上げられるきっかけになったのが「自殺」で、逆に言えば自殺がないかぎり注目してもらえないというのは悲しいことだ。

報道が「いじめ自殺」「体罰自殺」と名付けることで、自殺の理由が単純化されるわけだけど、この単純化が問題なのはそれが後追い自殺を生む可能性があるということだよね。

子供だった頃、自分はひどいいじめを受けていて、当時「いじめ自殺」のかなりセンセーショナル報道が行われていた。やっぱりふと思ってしまったよ。あれ、自分自殺していいんじゃない自殺したら学校も親も気付いてくれて、いじめてる奴らも反省するんじゃない?復讐できるんじゃない?ってさ。実際当時、「いじめ自殺」が連鎖したらしい。

昔に比べれば自殺をめぐる報道はずいぶん改善されているとは思うけどね。

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