2012-03-16

共産主義の勝利

共産主義は敗北したと思われているが、それは大きな間違いである。世界に誇る偉大な共産主義国家は、依然としてそのひどく夢想的な理想を実現しつつある。東洋にあるその国では、

国民みな勤勉で、同じように教育され同じようにものを考え

情報は厳しく統制され、国民は総じてメディアのいうことをよく聞くよう訓練されており

政府の方針に批判的な人間さりげなく舞台から消えていく仕組みになっている。

「他の棒よりも突き出ている棒は、平らにならされるものである」という、その国に古くから伝わることわざ通り

誰かが突出して富を独占することは許されず、また、国民はそれぞれ誰かよりいい服を着ているということすら否定するために

その国でもっとも豊かなメインストリートでは、国民がみな同じように着るための味気ないデザインの安物の衣服が配布されている。

その国でもっとも人気のある芸能人は、頼まれもしないのに制服を着て、互いにほとんど区別のつかない容姿をしたグループである

その国の国民の多くは、霊や神の存在を信じることをせず唯物論的であり

その国で政治にさえ関わる「自称宗教団体は、死後の救いでなく現世利益を語り

文化古典伝統には深く興味をもたずその価値を認めず

むしろそれを積極的に破壊してやまない。

そして惜しむらくは、共産主義の多くの先達国家がそうであるように

その指導者層は外見的には品性を欠いており、本人たちはそれによって「庶民派」を装っているつもりではあるもの

実態は貴族のもので、おおむね世襲によってその地位を得ていることから分かるようにひどく腐敗しており

権力闘争にあけくれ、また、結託した商人たちとともに富を独占する存在である

しかし、それでも愛すべきその国の国民たちはその実態を直視せず

自分たちの国は世界に誇るべき理想を実現した偉大な国であるという自負のもと

実態はともかく制度としては一通りそろっている社会福祉医療制度感謝しつつ

なけなしの給金すら国債として投資し、「老後は国家が私の面倒を見てくれる」という幻想を抱きながら

たとえ国家に見放されても国家を恨むことなく、ひっそりと自殺する。


そんな理想的な共産主義国家が、東洋のどこかにあるらしい。

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