ヤクザ(純粋なヤクザは少なくなってきたので、半グレなんかも含むが)は女性に優しい。しかし彼らは女性の権利に一ミリも興味がない。むしろ女性を搾取対象としてみなしている。
なぜ女性を搾取するのに女性に優しいかというと、それが「男らしいメンツを守る行動」だからだ。
その場にいる女性、子ども、あるいは障害者なんかに積極的に優しくするというのは「場の主導権を握る」ことができる行為だ。もちろん純粋に他人に優しくする人もいるが、ヤクザのそれは何となく違う。普通に親切な人と違ってヤクザはいつか見返りを求めてくるし、都合が悪くなれば一切親切にしてくれない。
ヤクザが他人に親切にするのは、搾取のための種をまいていつか収穫するつもりだからだ。それを理解していない人は、ヤクザに優しくされて舞い上がってしまう。
実際のところ、DVに遭う女性が「実は夫はヤクザで……」というケースは多いのだ。彼女らは、一度親切にされて「ヤクザにも優しい人がいるんだ」と勘違いし、その後恐ろしい暴力や搾取に巻き込まれることになる。
こういう話は男性の方が「そういう男もいるよね」と納得してもらいやすい。女性はなぜか「暴力をふるう人でも人を愛することはあると思う……」みたいなことを言い出す。暴力的ホモソーシャルに妙なあこがれでもあるのだろうか。
ヤクザが人を愛するかどうかは私は知らない。愛は主観的なものだからだ。しかし人間を搾取して当たり前だと思っている人間は、やがて妻や子供をも搾取する。常習的に犯罪をする人間は、他者と対等な関係を持つことがそもそも難しいのだ。