ドラマにしろ漫画にしろ「とにかく練習は量だ!量をやりまくるぞ!うおおおおおおお!」って適当にやって終わりみたいな薄い修行描写が溢れてるじゃん。
ああいうのってやっぱ全然納得できなくて、間違ったフォームで素振り1万回するならその時間の半分を使って正しいフォームの素振りとは何かを学びながらそれをゆっくり丁寧に再現しなきゃ話にならんと思うわけよね。
正しいトレーニングを知らない人間が上辺の聞きかじりで「とにかく量を出力すれば質も伴うらしい!」と雑に数字を盛るときの薄っぺらさは本当に見てられないよ。
そんな中で、量と質の両方をちゃんと描いている修行描写はなにがあったかと思い出してみると、「感謝の正拳突き」が強烈に印象に残るなと。
しっかりとしたフォームと心構えを持って丁寧に行う基本の動き、これに勝る修行はない。
なによりその目指すところが「強くなること」ではなく、「武への感謝」という所が他とは違う。
感謝を伝えるための動きなのだから、ただ漠然と数をこなしたのではマイナスにしかならない。
一回一回に対して自分の真心を持って向き合っていき、その上で数を丁寧に積み上げていく。
そうしていくうちにある火振り返ってみると、自分の中で何かが変わっていたことに気づくわけだ。
この納得感の強さ。
読み味の面白さ。