なんで今さらこんな騒ぎに。
ReCodaはそれにかかっていて、「最終楽章を繰り返す」という意味のタイトルになる。
これを繰り返すということなのだから「実力主義vs人望主義」の戦いを繰り返すことになるのは明白だ。
劇中でも何度もその姿は描かれていた。
その中で「最後は実力主義が勝つ」ということも、既に譜面に記載されているわけだ。
この時点で最後に何が起こるのかはもう分かっていたじゃないか。
だけどここで注目して欲しい歌詞がある。
リピートやダ・カーポといった繰り返しの含まれた音楽を聞いてみれば分かるが、同じ譜面を二度なぞるとしても、その奏で方は一回目とは少し変わってくる。
全く同じ音を2回出すわけじゃない。
原作は最終楽章において「突然覚醒した久美子は実力において突然ライバルを凌駕する」という音楽を奏でることで「実力主義の勝利として、久美子が勝利する」を響かせた。
でもアニメはそうじゃない。
アニメの最終楽章は始まった段階から既に別の音楽を奏でていた。
「実力主義が最後には勝つ」という譜面はそのままに、別の音楽を奏でようとしていた。
原作を読んでいた視聴者からしたらそんなのはもう分かりきっていただろ?
そういう人間の中には「同じ音楽は二度と奏でられない」の歌詞を聞いた瞬間にすべてを察した人もいるだろう。
驚くべきは、この全くの伝わってなさだ。
ヒントどころか答よりも更に先、解説そのものが頭から示されていたのに、気づかなかった人間がこんなにも多いのか。
創作活動っていうのは大変だな。
こんなにも伝わらない、響かないものなんだなあ。