たとえば、倒れた女性を救命するための、CPR(心肺蘇生法)やAEDの使用、それに伴う脱衣や身体接触は問題ないというのはみんな合意してくれると思う。
しかし、同時に、倒れた女性に性的な意図を持って接触することを目的として、CPRやAEDの使用を装った脱衣や身体接触を行うことはNGだというのも、まあ同意する人が多いだろう。
朝の挨拶を近所の小学生にするのでも、誰かに道を訪ねるでもいいけど、目に見えない意図でOKまたはNGが決まることは多い。
これは、炎上や晒、私人逮捕系、キャンセル・カルチャーのような私的制裁、社会的制裁が無定見に拡大する社会においては、非常に危ういと言うより他はない。果たして、このOK、NGの判断を明晰に説明できる人はいるのだろうか? あるいは、恣意的に判断できるというリスクを許容していると言うならば、その結果について文句を言わない程度の覚悟は求めてよいだろうか?