というか消費税のざっくりした話。
たとえばあなたの勤め先の会社が、経費を0円かけて消費税込み5,500,000円の売上を達成したとする。(本当はあなたの給料を払ってるはずだから経費0円ってことは無いけど、話を消費税に絞る簡単のため。)
会社は、税込売上5,500,000円のうち消費税名目で受け取った500,000円を消費税として納めなきゃいけない。
ここで、もしこの税込5,500,000円の売上を達成するために税込110円のボールペンを買っていたとしたら、(税引前利益は5,499,890円であるという話はさておき)ボールペンを買うときに消費税を10円払っているので、納める消費税は499,990円で良い。
消費税として50万円受け取ってるのに499,990しか納めないなら、残りの10円は誰が納めるのかというと、ボールペンを売ったコンビニが納める。
こうやって、消費税の連鎖の中で最後に受け取った人から取れば税を満額取ったことになるというのが消費税という発明の素晴らしさらしい。
さて、このボールペンを売ったコンビニがインボイスに対応していない場合はどうなるか。
コンビニは消費税として受け取った10円を納税するかもしれないし、免税事業者に該当して納税しないかもしれない。(まぁコンビニだったら普通は免税事業者では無いだろうけれど、だからってインボイスに対応するとは限らない。)
ただ、そのレシートがインボイスに対応していない場合、あなたの会社は、そのコンビニに消費税を払ったにもかかわらず、消費税を納税したと認めてもらえない。
つまり、(コンビニに消費税10円支払ったにもかかわらず)消費税を500,000円納税しなければならない。
お客さんから受け取った消費税は500,000円だけど、支払う消費税額は500,010円になるわけだ。
「それは酷い」と思われるかもしれないので、国は、特別の温情として、インボイス非対応のコンビニに払った消費税10円のうち、2026年10月1日までは8円を納税したことにしてあげることにした。あなたの会社は、コンビニに払った10円の消費税の他に、499,992円を納税すれば良い。支払う消費税の総額は500,002円になって、お客さんから受け取った500,000円よりは多いけど、経過措置が無いよりもマシだ。あぁなんと優しい政府!
今のは経費の割合が5万分の1という極めて利益率の高い事業の例だけど、これがたとえば受取消費税が500,000円、支払消費税が250,000円くらいの規模になると、インボイス非対応のとこで買物すると消費税を50,000円くらい余分に払わなきゃいけないし、経過措置の終了後は250,000円くらい払わなきゃいけないかもしれない。
そんな多額の経費が上乗せになってもらっては困るので、会社は従業員に、インボイス非対応の店で買物しないように求めるし、その規程に反してインボイス非対応の店で買い物したら、規程違反で会社に余分な消費税支払という損害を与えたことになるから、もしかしたら会社から賠償請求されるかもしれない。