2023-08-04

別の人生

女性経験があまりないまま、友人女性と恋に落ち、すぐに結婚してしまった。

非モテ独身こどおじ歴の長いイケてないおっさん代表というのが自己評価だったので、結婚できたのはほとんど奇跡と思っていた。

しかし、妻によると私はモテていたらしい。

「みんな狙ってたよ」「自覚なかったの?」「牽制しあってたよ」

手をこまねいていたら他の誰かにかっさらわれると焦ってアタックしてみたら思いのほかたやすく陥落した、というのが妻の側から見た事実らしい。

そうだったの?

妻は、ほかの女性たちが私に砂をかける様々なシグナル──妻を焦らせたが私には気づけなかったシグナル──を解説してくれた。

私がうっかりスルーしてしまっていた何気ないコミュニケーションも、「こんなこと、好きな男の人にしか言わないから!」と指摘する。

そう言われてみれば心当たりはあった。今振り返ると、妻の知らないところ(たとえば職場とか、ツイッターDMとか)でも、似たようなシグナルを多く受け取っていたかもしれない。

そっかあ。逆どぶロックかあ。

もう少し自分女性慣れしていて世間を知っていたら、別の人生があったかもしれない。

でも、今の妻と結婚した判断は間違っていないと思っているし、今私はじゅうぶん幸福だ。何の悔いもない。

ただ、妻の尺度によると、結婚した今でも私は引き続きモテている(それが妻を苛立たせる)らしいのだ。

物騒なことである

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