おれは真実に目覚めた上で再びマトリックスに戻りたいかといえばそれはイヤ(そもそも青いピルを選ぶかと言えば微妙なとこだけど)だと思う。知ってしまった以上は嘘に戻りたくないと思う。
でも自然科学が発展してしまって、感情の神秘すらも唯物論的に身も蓋もなく明かされてしまいつつある世の中に生まれてしまったのもイヤに思う。
例えば薬だとかの外的な操作で脳の仕組みをハックするようなものじゃなく、正しい?自然な?本来の?方法で感情を揺り動かしていたい。
もちろん人の感情の全てを理解するにはまだまだ程遠いだろうけれど、それでも「正しい」感情の動かし方という考えが欺瞞に過ぎないのを薄々自覚せずにはいられないのが嫌で、もっと神秘のあった時代に生まれたかったなとも思う。
全ては脳内物質が決める事でいいじゃん。何か問題でも?という人もいるんだろうけど、おれはそこまでラディカルに割り切れない。
かといって真実なき世界から宗教に戻る(というか「行く」だけど)かと言えばそれもイヤだから、何か芸術やフィクションの力を信じたい気持ちがそこに働いてるのかもしれない。