2022-01-23

父親預金残高 3524万284円

裕福な生活はしていなかった。

家は賃貸で古くボロかった。

そこで同年代の女の人と一緒に暮らしていた。

ずっと自営業をやってきた人でそれも20年ほど前にやめてしまい、

そこから非正規雇用で働いてきて、

そのあとシルバー人材派遣で働いていた。

 

仕送りは出来ていなかった。

また父から不要である、と言われてホッとしていた。

とはいえ、どこかで借金でもしているのではないだろうか?と心配もしていた。

その程度に貧しい生活をしていた。

父の死後、内縁の妻の方から、これを見て欲しいと通帳を渡された。

驚くと同時に、やった!と思う自分反吐が出そうになった。

わたしがずっと若い頃、わたしたち家族にはどういうわけか大金が転がり込んだ。

それは大金だったが、わたしの一生を賄い切るには少し足りない金額だった。

しかし、賢く使えば、あるいは使わなければそれは生きていく上で大きな武器となるはずだった。

でも、わたしたちは狂った。

当時、20を少し過ぎたばかりの私が財布の中に5万円ほどの金額が入っているときに思ったことが

「少し、心許無いな。」だった。

5万円では少し心配である、と思ったのだ。

何が?と我が事ながら今となっては疑問に思うが

そのときは5万円という金額では心もとないというのが実感になるほど、金を使いまくった。

そして当たり前だがあっという間に金はなくなって、逆に払いきれない額ではない程度だったが借金ができた。

そして家族は離散した。

 

しかし、なるほど父は隠し持っていたというわけなのだな。

3524万284円。

このおばさんとで分けあったら、わたしの取り分は幾らになるんだろう?

と思いながら相続放棄する旨、おばさんに伝えた。

しばらく邪魔くさいやり取りが思ったより遥かに長く続いたあと、ようやく納得させることが出来た。

そして彼女わたしが思っていたような人ではなかったことにようやく気づけた。

 

わたしも別段、裕福な生活をしているわけではない。

もういちど宝くじが当たればいいのにな、と思わない日はない。

でも、同時に降って湧いたような金は不幸を招くことも十分に理解できた。

おそらく、おばさんは少しおかしくなるだろう。

それは少し気の毒には思う。

でも、結局身内ではないわたしにはどうしようもないことだ。

  • 少しおかしくなっているのは、おばさんではなくあなたでは? 降って湧いたような金ではなく、文字通り人生かけてこつこつ貯めた金なのに

  • 残り3524万164円・・ もうだめぼお

  • 長かったので自動要約した ある女性が、父親の預金残高が3524万284円だったと明かした。借金をしていたら、父は隠し持っていたという。借金ができたが、父は隠し持っていたという。

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