{x|C}というのはCが真になるようなxを数え上げてるわけだ。
だから{x|xは自然数}というのもたとえばxに1を代入すれば「1は自然数」となって真偽値が真になるから1が、同じように2以降のすべての自然数が元として列挙されることになるというわけ。
こうした考え方においては{x|xは自然数}とか{x|x^2+3x+2=0}みたいな文は、{x|C}のCにおいてxが主語であるようなケースという、特殊な形に過ぎないことがわかるだろう。つまり応用が効くわけである。
さらにあの参考書には∃x∊X(p)とは「Xの元xを変数として含む文pについて、pを満たすxが存在する」みたいに書いてあったと思う。
これらを踏まえて{x|∃A∊μ(x∊A)}をどう読み解けばという話なのだ
要するに検討すべきは∃A∊μ(x∊A)の真偽値だ。
もっというならx∊Aという文の真偽値にxやAに具体的な数を入れて判断すればいいということなのだ(とりあえず読み進めてほしい)。
そこでたとえばμの元となる集合をA1={1,2},A2={2,3}としてみるとする。
本来のの目的に立ち返ればどんなxが列挙されているのか知りたいというわけだから、まずxを固定するのが筋だ。
つまりたとえばx=1とする。
次にx∊A1やx∈A2が真か偽かを考えてみる
ここではさすがに「明らかに」x∊A1が真で、x∊A2が偽だろう。
したがって、上でA1が真になる例として挙げられたように、1∈Aを満たす、μの元Aが存在するということである。
今ここで考えているのは∃A∊μ(1∊A)の真偽値についてのはずである。
そのうちの1∊Aを、∃x∊X(p)におけるpにあてはめて考えれば、他の記号についてもそれぞれ置き換えると次のように読むことができると思う。
「μの元Aを変数として含む文1∊Aについて、1∊Aを満たすAが存在する」ということだ。
先ほど確認したように、1∊Aを満たすAが存在するわけである。
つまり「μの元Aを変数として含む文1∊Aについて、1∊Aを満たすAが存在する」という文も真なのである。
ということは{x|∃A∊μ(x∊A)}は∃A∊μ(x∊A)が1について真なので、1は列挙されているわけである。
同様にすれば
2∊A1は真
2∈A2は真
3∈A1は真
3∈A2は偽
ということでいずれのA1やA2に含まれるいずれの元の場合についても∃A∊μ(x∊A)は真なので
{x|∃A∊μ(x∊A)}とは{1,2,3}のことなのである。
ところで∪μの定義は「μの元である任意の集合Aに少なくとも一つは含まれる元を全て含む集合」であった
A1とA2のいずれかに含まれている元は1,2,3のいずれかなので
この場合∪μ={1,2,3}
だからあの参考書は「明らかに」∪μ={x|∃A∊μ(x∊A)}と言っていたわけだ。
ここではごく簡単な例について等号が成り立つことを示したに過ぎないが、これがAが何個になっても、あるいはAにどんな元が含まれていようと一般的に成り立つということはもうイメージできると思う。
数学書で全然説明不足なのにこの物言いされてるところあってそこで数年つまづく羽目になったわ。 {x|xは自然数}みたいな表記しかしてなかったところから急に {x|∃A∊μ(x∈A)}なんて表...
Cがxを変数とする命題であるとき {x|C}というのはCが真になるようなxを数え上げてるわけだ。 だから(x|xは自然数)というのもたとえばxに1を代入すれば「1は自然数」となって真偽値が真に...
とにかく ∃x∊X(p) あるいは ∀x∊X(p) みたいな書き方をされてたときは pの部分を命題として見ることが可能でかつxを含むものならばpの真偽値に注目すればよい。 前者ならば真を取...
すぐ数ページ後に書かれてる写像でも{a|b∊Γ(a)}みたいな文が出て来るしそんなところで数年つまづいてたぐらいじゃ読むのやめた方がいいぐらいなんだけどね