2021-11-07

セーラー服の絵のアートとしての解釈


女子学生が着る典型的セーラー服制服に、黒のオーバーニーソックス。ただし服を着ている当人身体は透明になっていて、見えない。

注目すべきは被写体を見上げるアングルだ。アーティストはこの絵を描くとき自撮りでもグラビア撮影でもありえない角度を選択した。女子生徒は下から見上げられているのにも関わずスカートを押さえていないところから、これは盗撮視点を表しているとわかる。

だが性的意図を持って窃視しているのに、見上げる目は女子本人はとらえていない。眼に映るのは記号的に画一化された制服一式のみ。

「誰かが女子児童性的にみるとき対象女子学生だということだけが真に意味を持つのであって、彼女自身人格などは見ない」 ——ということを描いているのだと思う。そうした在り方を風刺しているかまでは判断できない。いずれにせよ、見事なアートだ。

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