引っ越し先にローカルなスーパーがある。どれも新鮮でお惣菜もおいしくて助かっている。既製品もチェーンの商店とは品揃えが違って、日常の小さな楽しみだ。
お菓子コーナーのレトロなパッケージのクッキーを、何の気なしに買ってみた。これがなんだかとてもおいしい。ちょっとびっくりした。
中身だけ別の箱に詰めたら贈答用にもなりそうなのに、スーパーで買う日常のお菓子の値段。 12 枚で 300 円弱だったかな。身近な人にあげたくなったが、それはためらわれる程に古めかしいパッケージだ。紅茶よりは湯呑みの緑茶のお供にしたい佇まい。
おいしいから、 1, 2 枚でちゃんとしたものを食べた感じがあって、ずいぶんと長い期間を楽しませてもらった。さっき最後の 1 枚を食べて、どこのメーカーなのだろうと会社名を探す。
製造者の方の「湘南クッキー」で探すと、ファンは多く居るが売っている場所が限られているようだ。在庫が無くなるとそれきりとなってしまうことも多いスーパーだけれど、また買えるといいなあ。
書きながらパッケージを眺めていると、おばあちゃんが生きていた頃の実家の居間とか、元気な魚屋さんがいた今はもう無いスーパーとか、今まであまり思い出さなかった情景がふっと浮かんできて、なんだか鼻の奥がツンとしたりもした。