──やはり子供の頃からフードファイターの片鱗はあったんですね。大食いに関して言うと、好きな食べ物と得意な食べ物は、必ずしも同じではないんでしょうか?
ロシアン:全然違いますね。好きだけど大食いに向かない食材はたくさんあって、たとえば実体験として感じたのはカルボナーラ。
──ロシアンさんは以前から「カルボナーラが好物」と発言されていますよね。
ロシアン:大好きなんですけど、油分が多いので大食いするにはくどすぎて、お腹いっぱいになる前に食べられなくなってしまうんです。同じように、焼肉は脂っこいカルビが大好きなんですけど、大食いするんだったらヒレ肉のほうが絶対たくさん食べられます。
──油分や脂肪は難敵なんですね。
ロシアン:大量に摂取すると、喉とか胃の上部のほうに油膜が張ったみたいな感覚に襲われるんですよ。あと、大食いすると、いつも食べている食べ物の味じゃないところを感じるんです。
──たとえばどんな味ですか?
ロシアン:満腹になってくると、お肉だったら獣臭さ、お野菜だったら青臭さ、みたいに食材の臭みやえぐみが際立ってくるんです。体がその食材に対して危険信号を発しているんだろうなと感じるんですよね。
──すごい領域だなぁ。今日はとびきり体調いいぞという時でも、大食いを始めたら食べられなくなってしまうことはあるんですか?
ロシアン:あります。胃腸の状態って精神状態に直結するので、感じていないプレッシャーがかかってたりすると、思っていたよりも食べられないことがありますね。あと、食材によっては気持ちが折れて食べられなくなったりとか。
──たとえば何を食べた時ですか?
ロシアン:大食い経験で顕著に出たのは、ソフトシェルクラブを食べた時です。
ロシアン:もともと生ものの対戦がすごく苦手で、その時は、「誰でも食べられるようにきちんと火を入れたものを出します」と事前に言われて大会が始まったんです。でも、ひと口食べたらレアで、そういう要素に気持ちを持っていかれて、お腹に入る容量の半分以下くらいしか食べられなかったんです。
気持ちが追いつかないと食べられないというのは、どのフードファイターにもあることで、大きい大会の時は、精神的な部分も作り込んで臨むフードファイターもたくさんいます。