ふらりふらふら歩き続けて、気付けばこんな街に来ちまった。
俺がいつも半袖短パンで過ごしてるのがそんなにイケてるのかい。
これは自前じゃないぜ、服が擦り切れてこうなっただけさ。
まぁ、そんなに呼ばれても俺はニヒルに笑うことしかできないぜ。
そうさ、こうしなきゃ俺がダンディすぎて街のみんなは顔が真っ赤になっちまう。
なんでこっちを向いてくれないのよダンディ、なんて何度も聞かされた言葉さ。
おやおや、俺の笑顔にぼうっとしちゃってまたまた子猫ちゃん達が顔を真っ赤にして近づいてきたぜ
ほらほら、それ以上は近づいちゃダメだぜ。
三密って奴さ。
何、さっきから俺を見て笑いやがってなんなんだお前は、だって?
そりゃソーリー、俺はダンディなんで誰にでも笑いかけちまうのさ。
良い奴、悪い奴、強い奴、そして弱い奴。
そんな街で幾ら強がったって、明日にはまた違う強がりがでてくるよな
兄さんはどんな強がりを言いたかったんだい?俺でよけりゃ聞くさ
なぁに、お代はその缶でいい。ああ、兄さんがタバコ入れにしてる奴さ。
おや?何か不満があるのかい?
いや、こりゃあ酒が回りすぎちまっただけかい。
ああやだねぇ、下手な飲み方をしちゃってまぁ。
さぁ、こんなところで顔を真っ赤になんてしてないで早くお家に帰るんだ。
おい、兄さん。
起きなって、おい。
ったく、そんだけ飲んじまったならあと二、三時間は目が覚めない、か。
まぁいいや、今日はこのぐらいにして適当な場所で寝ることにするよ。
まぁ寝れなきゃ以前のこの街と一緒さ。
眠らないまま、彷徨い続けるのさ。