現在、リングフィットアドベンチャーや肉体労働でのダイエットに励んでいるが、デブでも可愛い服が着たい。
ある日、SNSで見かけた洋服がすごく可愛かった。世間では量産型と呼ばれる類のものであったが、それはとても魅力的だった。それも、ファッションセンターしまむらで購入ができるということだ。
欲張りデブは、「私でも着れるかもしれない」というかすかな希望を抱いてしまむらへと向かった。
入店してすぐに目が留まった。フリルのついた大きな襟のブラウスだ。私は、瞬間それを手に取り、試着室に入った。
これを着た私がどう思われるか、なんて考えなかった。私が着たいものを着てやる。そう思い、ブラウスのボタンに手をかけた。
「これはいける」
そう思った私が馬鹿だった。
絶望に打ちひしがれた私は、第三ボタンが閉まらないデブが映った姿見を前に、ただ己が乳袋に憎悪することしかできなかった。
そう心に誓った。